誰もが自身の力で働き、自身の力で収入を得たいと思うでしょう。しかし心身に障害や病気を抱えているため、それが思うように出来ない…このような壁に直面している人が多くいます。

その苦しみ・悩みを解決へ導く福祉サービスが、就労継続支援B型です。この新しい取り組みについてお話ししましょう。

障害者総合支援法の誕生

前述のように「就労継続支援B型」とは、社会福祉サービスの一つです。心身に障害や病気を持つ人は、一般企業で働く事が困難でしょう。しかし2013(平成25)年にスタートした「障害者総合支援法」が、心強い味方となりました。

この法律は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」が正式な呼称です。文字通り、障害や病気を持つ人々の状況に合わせ、多様なサービスを開始しました。その中の一つこそ、就労継続支援B型なのです。

就労継続支援B型は働く環境の提供

障害者・傷病者にとってかつては、自由に働けない、それは無理だ…など、いくつもの壁が立ちはだかっていました。しかし新たに施行された障害者総合支援法には、同じ日本国民として尊重され、社会への参加が認められるなど、6つにわたる基本理念があります。

これによって障害者・傷病者に、社会への門戸が大きく開かれたのでしょう。就労継続支援B型はこの理念から誕生した、社会への後押しをするサービスと言えます。

就労継続支援B型利用に当たり、まず福祉関係機関が障害者・傷病者の体調や体力を把握します。そして一般企業での労働が困難な人を対象に、働きやすい環境を提供するのです。

就労継続支援B型事業所で雇用契約を結ばずに働く

この環境として用意されるのが、全国に約1万ヶ所存在する「就労継続支援B型事業所」。主にテーブルや工場・倉庫などの作業空間が用意されています。

いきなり体力や技術を要する作業ではなく、短時間の軽作業からスタート。もちろんノルマなどはなく、自身のペースで働けるでしょう。体に不安を抱えている状態なので、雇用者はもちろん専門の指導員や、生活支援員の監督・サポートが必要です。

就労継続支援B型の大きな特徴は「雇用契約を結ばないで働く」事でしょう。そのため収入も時給や日給などの賃金ではなく、「工賃」という作業成果となります。

まとめ

2015年2月時点で、B型事業所利用者数は約20万人に上りました。障害者・傷病者は日々ここで働き、少しずつスキルやコミュニケーションを身に付けます。

そしてレベルアップした人には、一般企業就労への門戸が開かれるかもしれません。就労継続支援B型というサービスは、社会進出への架け橋と呼べるでしょう。